家の中で、ただ何となく貼られているまま古びてきたタイルにヒビが入った、汚れてきたタイル、などをそのタイルを変えるだけで、空間が一気に変わりますので、思いきって変えてみませんか?タイル工事というと、大掛かりなものをイメージしてしまいますが、部分的にアクセントに使ってみるなど、案外お手軽にできるものもあります。タイルといえば、バスルームやキッチンの水周りと思いがちですが、最近はリビングやダイニングの壁や床に、おしゃれにタイルを使う家が増えています。
タイルのメリット
タイルのいいところは、掃除のしやすさやデザイン性の高さです。フローリングなどの木材やカーペットなどの布と違い、石で作られているタイルは丈夫で汚れを寄せ付けにくい性質をもっています。また、オーソドックスなデザインのインテリアから、個性的でホテルのような空間を演出したいときなどにも、タイル材は定番の素材です。
【 汚れにくさがメンテナンス費用を節約 】 汚れが付きにくく、キッチンなどの油汚れも水吹きでとることができます。また、傷がつきにくく、傷やへこみが生じやすいフローリング材に比べ、その手間を減らすことができ、リフォーム後のメンテナンス費用を抑えることができます。 【 場所ごとに種類の使い分けが可能 】 濡れやすい洗面所やトイレは滑りにくい素材を、リビングやキッチンには冷たさを感じにくい素材を使うなど、場所ごとに適した性能を選ぶといいでしょう。また、汚れが溜まりやすいタイル材目地部分にも防水性や抗菌性の仕上げ材などがあります。 【 窓際でも色あせしない 】 タイルは紫外線による劣化を防ぐ効果も持っています。窓際に観葉植物を置いても、水やりや湿気による床の腐食が生じません。 |
タイルのデメリット
【 冬は足元の寒さ対策が不可欠 】 石でできたタイル材は、木材より熱伝導率が高いため、素足で触れるとひんやりと感じます。夏場は快適さをもたらす利点になりますが、秋以降は素足で移動ができなくなるほど冷たくなるという欠点になってしまいます。床暖房にしたり、ストーブの位置を変えたりとなるべく足元が暖かくなる対策が必要です。 【 硬く足腰に負担がかかる 】 耐久性に優れ、衝撃に強い点がタイル材の魅力ですが、その硬さによって足腰に負担がかかってしまいます。特に、キッチンや洗面台など、立ったまま行う作業が多い場所では、毎日の家事に支障をきたす欠点となってしまいます。 【 導入コストが他の床材に比べて割高 】 タイル材リフォームをするか悩んでしまう最大のデメリットが、部材価格の高さです。
タイル材と他の床材のどちらにするかお悩みの方は、初期費用と、導入後のランニングコストを含めた総額で比較してみましょう。 |
タイルの種類は大きく分けて5種類あります。
陶器タイル | 陶土や石灰などを1000度~1200度で焼いたタイル。細かい穴がたくさん開いている多孔質が特徴で吸水性が高いものになります。
水周りに使用する際は釉薬を用いた耐水性の高いものがおすすめです。 |
磁器タイル | 石英や長石を1200度以上で焼いたタイル。
緻密で硬く、吸水性がほとんどないので水周りにおすすめです。 |
せっ器タイル | 粘土や長石を1200度前後で焼いたタイル。
劣化や対候性に強く、釉薬の有無で印象を変えられます。磁器タイルより吸水性が高くなります。 |
石材タイル | 大理石や御影石など天然石を四角くカットして貼り合わせる。
重厚感や高級感がでますが、冬場は冷たくなるため保温対策が必要。 |
フロアタイル | 塩化ビニル素材で、タイルのように1枚ずつ床に貼っていく。
部分補修もしやすく色や柄のバリエーションが豊富。ただし目地部分から剝がれてしまって、水が染み込む場合があり、傷が付きやすい。 |
キッチン
汚れが落としやすく掃除がしやすいタイプがおすすめです。タイルは元々油や洗剤などの薬品にも強いのが特徴です。油が跳ねてもシミになりにくく、薬品が付着しても色落ちや劣化がしにくいです。さらに防汚機能が付いたタイルなら、フローリングのように定期的にワックスなどを塗る必要がなく、綺麗な状態を長く保つことができます。さらに硬い素材のため、包丁や鍋を落としても傷が付きにくいです。 |
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お風呂・洗面所・トイレ
狭い空間だからこそ趣味を反映させて、冒険してみるのもいいでしょう。 お風呂の床にタイルを貼り替える際には、浴室の壁や床の色は一色のグラデーションか同系色にするとまとまりがでます。床タイルの色をワントーン暗くすることにより空間に統一感が生まれます。 また、素足で歩くことが多い場所ですので、冬でもひんやりとしない「サーモスタイル」など機能性タイルがおすすめです。水に濡れても滑りにくく、冷たく感じないので洗面所やトイレなどにもよく使われています。 トイレの床には菌が繁殖しにくい抗菌機能があるタイルがおすすめです。銀イオンやセラミックで表面を加工したタイルで、表面に付着した菌の繁殖を防いでくれます。磁器タイルや石器タイル、フロアタイルなどが良いでしょう。特に磁器タイルなどは表面がツルツルしているため耐水性や防汚性が高いのがメリット。タイルの冷たい感触が苦手な方は、クッションフロアかフロアタイルがおすすめです。 |
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玄関
玄関は家の中で最初に目にする場所でもあり、来客があれば必ず見られる場所ですから、家の顔ともいえる玄関こそ力を入れたいものです。 雨の日に濡れた靴でも滑りにくく汚れが付きにくいタイルがおすすめ。特に小さな子供や高齢者がいるご家庭では、表面がザラザラとした滑りにくいタイルを選びましょう。また、高級感や拡張の高さを演出してくれる大理石などもおすすめです。
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リビング
壁面や床にタイルを使うというインテリアが流行っています。デコボコ感のあるレンガ風タイルや、絵のようにタイルを飾るデザインのものもあり、部屋のアクセントとして使うといいでしょう。 |
**タイル床貼り替え費用の相場**
玄関 | 10万 ~ 20万円 |
キッチン | 50万 ~ 200万円 |
お風呂 | 6万 ~ 15万円 |
トイレ | 5万 ~ 10万円 |
※施工する広さや使用するタイルによって費用が大きく異なります。
床タイル貼り替えをする際の注意点
・床下の点検や補修工事も同時に行いましょう
既存の床材を撤去してタイルを貼り替える場合、床の下地や土台部分に劣化が見つかることがあります。湿気による腐食やシロアリによる痛みなどで、そのままにしておくと家の土台や構造に悪影響を与える場合があります。
もし予算に余裕があるなら、床材を剥がしたタイミングで床下の点検や補修工事を行ってみてはいかがでしょうか。後々、単独で行うより安く済む場合がありますので、床下を点検するいいチャンスだと考えて床下の補修工事も同時に行うことを考えてみてください。
※DIYでの貼り替えはおすすめしません
タイルを貼る工事は、しっかりとした下地作りや均一な隙間でタイルを貼っていく技術が必要になります。
例えば、浴室のタイルの貼り替えをするには、既存のタイルや目地を剥がす作業をしてから新しいタイルを貼ることになります。その際に恐ろしいのが、タイルを剥がしたと同時に防水加工も一緒に剥がしてしまう可能性があるということです。そうなった場合、防水施工をし直さないといけません。これを怠ると、階下や床下への水漏れの原因になってしまいます。
結局プロに頼むことになると、余分な時間だけでなく費用もかかってしまうので、よほどDIYに自信のある方以外は、プロに任せた方がいいでしょう。
特に、マンションなどの集合住宅の場合、階下への水漏れのリスクを考慮してDIYは避けましょう。